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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第4章 決断




まだ目を覚ます気配がないは
苦しそうにずっと浅い呼吸を繰り返している。



…何故こいつは
このような状態になるまで、鍛錬や勉学に
励んでいたのだろうか。



部屋中に散乱している本は
とても短期間で読み終えれる量ではない…。


頑張っていた、と先程の隊士は言っていたが
努力の仕方が途轍もなく下手だと思った。



しかし、眠っている病人に対して
そう罵るわけにもいかず…



先程の隊士は、すぐに水桶と手拭いを運んできた為、手拭いを冷えた水につけて絞り、の額に乗せた。


その時、当然彼女の顔が視界に入り…



眼鏡をかけていないの素顔は
やはり、美しいと思った。



…だが、あの頃と比べて
痩せた、というより、やつれたように見える。


体調不良を起こし、目の下に隈ができるほど睡眠時間を削ってまで、が努力し続けていた理由は
一体何だったのだろうか…。




眠っているを見つめながら
ひたすらその理由を考えていると

屋敷の通路を慌ただしく歩く足音が聞こえ、
少しずつ音が近づいて来ている、と思っていると
この部屋の襖が開き、そこには息を切らした胡蝶が立っていた。





「はぁ…はぁ……さん…っ」



俺には目を向けず、胡蝶は眠っているに駆け寄ると、彼女の頬に手を添えた。





「…どうして……こんなことに…」


「…過労から来る発熱のようだ。
疲れが取れれば、きっとすぐに癒えるだろう。」


「…冨岡さん、なぜあなたがここにいるんですか?」


「屋敷の前を偶々通ったら
が倒れたと悲鳴を聞き、それで…」


「私は経緯を聞いているわけではありません。
彼女をこのような姿になるまで追い込んだ貴方が…

どうして平然とこの場にいるのかを聞いているんです。」




…胡蝶の様子からして
俺に対し怒っているのが分かる。



俺が…を追い込んだ…?





何故怒っているのか、
そして胡蝶の言っている意味がまるで分からず
何も言葉を発しないままでいると
胡蝶は呆れたようにため息を吐き出した。



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