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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第4章 決断




だがは
俺の言葉に悔しがっている様子はなく、

そのまま意識を失ってしまった。





ア「み、水柱様…、どうしてここに…」


「…こいつを部屋へ運ぶ。
そこに落ちているの眼鏡を拾ってくれ。」


ア「は、はい…!!」





そう告げた俺は、を抱き抱えたまま、縁側から屋敷に入り、以前来た時の記憶を頼りに、の自室へ向かった。



背後から俺の跡を追いかけてくる女隊士の気配を感じながらの自室に到着すると、俺の手は塞がっている為

その女隊士によって、部屋の襖は開かれた。





「……。随分と…散らかっているな…」




部屋の中は、以前来た時のような雰囲気とは異なり
至る所に幾つもの本が散乱していた。


何故このような有様になっているのだろう、と不思議に思っていると、先に部屋へ入った隊士は
壁側に畳まれている布団を敷きにかかっていた。






「さんは、元から勉強熱心な方でした。
…ですが最近は、少し無理をしていたように見えました。」


「…。」



「寝る間を惜しんで、鬼殺隊に関する本を読み漁り
呼吸が使えるように訓練も1人で行っていて
食事を抜いてしまう事も度々…。
何度か無理をしないように声を掛けたのですが
さんは……
笑顔で『大丈夫』と、いつも仰っていました…。」





…その結果が、これか。




短期間で無理をしたところで
知識も、呼吸の技も身につく訳ではないというのに…。




「恐らく、疲れから来る発熱でしょう…。
後は私がお世話をしますから大丈夫です。
…水柱様、さんを運んで頂き、
ありがとうございました。」



「…いや、の目が覚めるまで
俺はここに残る。
お前は屋敷内の雑務が残っているだろう。」


「えっ…、いや、でも…」


「邪魔になるような事はしない。
こいつの様子を見ているだけだ。」


「…分かりました。
では、冷やした水と手拭いを持ってきますので…
さんのお世話、宜しくお願い申し上げます。」


「承知した。」




返事をすると、隊士はの眼鏡を枕元に置くと、俺に一礼をして、部屋から出て行った。






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