• テキストサイズ

《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第3章 積極




『いいねカナヲちゃん!
その調子でもっと打ち込んできて!』


「はいっ!」


『ん〜、もう少し滑らかな動きしないと…』

「!?っ…ぁ……」


『…隙ができて、こんな風に狙われるよ。』

「うぅ…」





胡蝶の弟子が打ち込んだ攻撃を
軽やかに避けたその女は、
脚で相手を転倒させ、すぐに間合いを詰め
喉元に竹刀を突き付けていた。




それは数秒にもならない早技で
瞬きを一度でもすると見逃してしまうような…


賞賛に値するほど、見事な動きだった。






「御館様は…あいつの存在をご存知か?」

「一応私の屋敷に住まわせてる訳ですし
報告は済ませてあります。ですが、
彼女の素性についてはまだ……。
本人の意思を確認していないのに
私が勝手に話す訳にはいきませんから。」


「素性…?あれだけ剣術に優れているのに
鬼殺隊に入隊はしていないのか?」

「…ふふっ、では鬼殺隊への勧誘は
冨岡さんにお任せします。」


「…?」





胡蝶の言っている言葉の意味が分からず
疑問を抱いていると、胡蝶は縁側から立ち上がり
稽古をしている2人に声をかけた。




「2人とも、そろそろ休憩に入って下さ〜い。
さんにはお客さんが見えてますよ〜」


「お、おい…」





俺はこのまま、あいつとは顔を合わせずに
屋敷を出て行こうと考えていたんだが…。


しかしそれはもう叶いそうになく、
胡蝶の呼び掛けに、女は俺がいる縁側に目を向けてきた。



ゆっくりと俺の視線を合わせたその女…


胡蝶が名前を呼んでいたが…


、というのか…。




2ヶ月ぶりに顔を合わせ、戸惑いを感じつつも
名前を知ることができ、なぜか喜びを感じた。




女の名前が頭の中で、何度も繰り返し響き…


俺は何も言葉を発しないまま、のことを見つめていると、彼女はパッと顔を綻ばせて
俺の元に走って駆け寄ってきた。






/ 279ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp