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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第3章 積極




『冨岡、さん…?冨岡さんですよね!?
わ〜っ、嬉しい!!やっと会えたー!!』


「…。」




何故、俺に会えて嬉しいと思っているのだろうか…。




…いや、そんなことよりも
が俺の事を覚えていたことに驚いた。



…同時に、覚えていてくれたことが
とてつもなく、嬉しかった。





『しのぶちゃん以外にも
誰か見てるな〜って気付いてたけど
まさか冨岡さんだったとは思いませんでした!』


「…。」





…この女、こんなに明るい性格だったのか?




俺と初めて会った時は、疲れ切っていて
傷だらけ、血塗れの状態だったから…



俺の顔を見て
ずっと笑顔で話し掛けてくるに
どう接したらいいのか分からず、言葉が何も出なかった。





『冨岡さん…?あれ、ひょっとして
私の事、覚えてないですか?』


「いや、覚えている。」





不安気な顔をしながら尋ねて来たに
俺は即座に否定していた。


出会ったあの日から
いつも頭の片隅に、の素顔が浮かんできて
こいつのことを忘れるどころか、考えない日は1日たりともなかったから。




だが、自分でもすぐに否定したことに驚いていると
俺の返事を聞いたは
嬉しかったのか、太陽のような笑顔を俺に向けた。


相変わらず、奇妙な眼鏡はかけているが
ガラスのレンズ越しに見る彼女の黒い瞳は
とても輝いているように眩しく見えた。






「さん、冨岡さんは
軟膏を取りにいらしたので、持って来てもらえませんか?
彼には茶の間で待ってて貰いますので。」


『あ、うん!じゃあすぐ取ってくるね!
冨岡さん、また後ほど!』


「あぁ…」





竹刀を片手に持ったまま
走り去っていくを見つめていると
胡蝶はそんな俺を、何か言いたそうな表情で見つめていた。





「…何を見ている。」

「いえ、別に何も?
では私とカナヲは別室にいますから
さんと沢山お話ししてきて下さいね?」



…俺が話をするのは苦手で
あまり好んでいないのを胡蝶も知っているはずだろう。


彼女の言っている意味が分からないまま
1人で茶の間に向かい、畳に座ってが現れるのを待った。





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