第22章 恐怖
『色々と教えて頂き、ありがとうございました。
じゃあ、私はこれで。』
「あ、待って下さい。
実はもう一つ分かっていることが…」
『え…?』
前を向いて歩き出そうとしたら女性に引き止められ
彼女の方を振り返ると、懐から巾着袋を取り出していた。
「この巾着…、娘が落としたものなんですが…、
拾ったのはこの場所ではないのです。」
『え…?居なくなった時に
落ちてしまった訳じゃないってことですか?』
「えぇ。この巾着は私が山で山菜を取りに行った際に偶然見つけて…」
『山…?どこの山ですか?』
女性に山の事を尋ねると、近くにある標高が低い山を指差していた。
勿論その山の隅々まで探したけど
娘さんは見つからなかったらしい。
でも、探していない箇所が1箇所だけあるとか。
「あの山には古い神社があるんですが
この街の住人は、先祖から近付かないように伝えられてきてるんです…。近付くだけで祟られるとか…」
『へぇ…、それは怖いですね…』
人間が誰も近付かないような神社…
鬼が隠れ家にするのには絶好の場所だろうな…。
『じゃあ私、一度その神社まで行ってみますので、失礼します。』
「はい…、お気をつけて…」
不安気な表情の女性に対し、ペコっと頭を下げた私は、教えてもらった山に向かい始めた。
ーーー…