第20章 我慢
『ありがとね、カナヲちゃん…。』
きっと、カナヲちゃんが自分の気持ちを話せるようになってきたのは、炭治郎くんの影響だろう。
2人の間に何があったのかは知らないけど
カナヲちゃんは炭治郎くんと知り合ってから
自分から話しかけてくれることが増えたような気がするから。
カナヲちゃんも私と同じように
炭治郎くんの様子を頻繁に見に来ているみたいだし
彼の事は特別に思ってるのかもしれない。
同期を心配する友達として意識しているのか…
私が冨岡さんを好きなように
恋心を抱いているのかは分からないけどね?
『カナヲちゃん。
また時間作って、一緒に修行しようね?』
「っ、はい!!」
カナヲちゃんの気持ちのいい返事を聞いた私は
今度こそ病室を出て、しのぶちゃんがいると思われる部屋に向かった。
『しのぶちゃん、来たよー』
「あら、さん。
…よくここにいると分かりましたね?」
『そりゃあ分かるよ。
しのぶちゃん、自室と診察室にいなかったら
大抵この部屋にいるじゃん。』
私が来たのは
しのぶちゃんの家族の仏壇が置かれている部屋。
何度かこの部屋にしのぶちゃんがいるのを見たことがあるけど、私はいつも彼女が仏壇の前に座っていたら、話し掛けていなかった。
その理由は、亡くなっているとはいえ
家族だけの時間を邪魔しない方がいいかなって思ってたから。
「ふふっ、さんは
私の事をよく見てくれているんですね?」
『それを言うならしのぶちゃんだよ〜。
いつも私の事気にしてくれてるじゃん。
…呼び出したのも、私が炭治郎くん達のお世話とかで
働き過ぎって注意したかったんじゃない?』
「…。」
私の話を聞いたしのぶちゃんは
珍しく少し驚いた顔をしていたけど
すぐにいつもと同じような笑顔に戻った。