第22章 恐怖
『は…ぁ……はぁ…っ…』
「さぁて…、
お前も無惨様への献上候補の1人にしてやるからなぁ?」
『っ、くッ…!』
荒い息を吐きながら
身動き出来ない私が座り込んでいる場所までやって来た鬼は、私の頭頂部分の髪を掴み引っ張り上げてきて…
その拍子に、顔にかけていた眼鏡が
カシャンッ、と音を立てて床に落ちた。
「へェ…、
地味な女だと思っていたが
綺麗な顔立ちしてやがるなァ…?」
『っ、や、めて…ッ…、離し、て…っ』
間近で私の顔を見てニヤつく鬼にゾッとし、
首を振って掴まれている髪を振り解こうとしたけど、やっぱり体に力が入らないままで…
どうにかして鬼から逃れようと考えていると
鬼は私の髪を掴んでいる手とは逆の手で
私の頬をソッと撫であげてきた。
『っ…、ぁ…ッ』
「クククッ、どうだァ…?
体全身が性感帯みたいなモンだろォ…?」
『さ、わら、ない、で……ッ!』
最悪だ…
鬼の毒を喰らったせいで
ただ頬を撫でられただけなのに体が反応した…
感じたくなんかないのに
全身が刺激を求めてビクビクと震える…。
こんな風に淫らな自分は好きな人にしか…
冨岡さんにしか見せたくないのに…。
どうにもならないこの状況が悔しくて
奥歯を強く噛み締めていると、鬼はそんな私を見て嬉しそうに笑っていた。
「整った顔が苦痛に歪むのを拝むのは最高だなァ…?すっげぇ興奮しちまう…!」
『っ、随分、と…、悪趣味、ね…』
「ハッ、まだ生意気な口を叩けるのかァ…?
そんな事が言えなくなる様に…、
俺様がお前を少し可愛がってやる。」
『何、を……、ッ、!!!!』
一体何をする気なのか聞こうとした瞬間、
私の着ている隊服が鬼の鋭い爪によって
ビリッ、と音を立てて正面を引き裂かれた。
『い、や……っ、や、やめ、て…っ…』
隊服だけではなく
その中に着ていた肌着…、そして下着までもが左右に引きちぎられ、ひんやりとした空気を肌で感じると共に
鬼に体を見られて、恐怖心と羞恥心が掻き立てられた。