第20章 我慢
『カナヲちゃん…、
心配かけちゃってごめんね…?
でも私は大丈夫。前みたいに無理はしてないから。』
カ「はい…。」
カナヲちゃんと初めて顔を合わせた時は
全然喋ってもらえなくて
嫌われているんだと思ってたけど
この子は人を嫌うような子じゃない。
ただ人との接し方が分からなくて
自分の気持ちを話すことや、他の人に対して
興味をもつことが苦手なだけ。
詳しく聞いたことはないけど
幼い頃、孤児だったカナヲちゃんを
しのぶちゃんと、しのぶちゃんのお姉さんが引き取ったらしいから…
きっと、孤児だった頃に
自分の感情を殺さなければ、生きていけない状況だったんだと思う。
子供の頃に学んだ事は
大人に成長しても忘れる事はなくて…
自分の意思とは関係なく
ずっと身に染み付いてしまうものだから。
現に私も
子供の時に母親から罵声を浴びせられた事や
父親が死んだ時の悲しみを覚えてる。
でも、カナヲちゃんは少しずつ
自分の気持ちを素直に話してくれるようになったし、私のことを気に掛けてくれる優しさを見せてくれるようになった。
それがとても嬉しくて、私はカナヲちゃんに笑顔を向けた。
『カナヲちゃん、私ね…
カナヲちゃんのこと大好きだよ!』
カ「へぇっ…!?」
…顔、真っ赤にしちゃって可愛いなあ。
『ふふっ。
しのぶちゃんが呼んでるんだよね?
今から行ってくる。…炭治郎くんが目を覚ましたら
すぐに教えてね!』
可愛いカナヲちゃんにそう伝えた私は
病室を出て行こうと立ち上がって歩みを進めたけど…
カ「…。」
『…ん?』
カナヲちゃんは私の隊服を背後から摘んできた。
カ「わ、わたしも…、
さんのこと…好き、です…。
最初は…、カナエさんに似てるなって…
思ってただけ、だったんだけど…、
優しくて、強くて、明るいさん自身が…
私……、凄く、好き…」
『〜〜〜ッ』
…え、何この子、可愛すぎない?
服を摘んでくる仕草も可愛いけど
自分の素直な気持ちを恥ずかしがりながらも伝えてくれたカナヲちゃんの可愛さに
私は言葉を失って悶絶した。