第20章 我慢
『…。炭治郎くん…
早く目を覚ましてよ…、
禰󠄀豆子ちゃんが寂しがってるよ…?』
…病室に来るたびに
こうやって話しかけてるけど
それでもなかなか目を覚ます気配がない炭治郎くん。
まさかこのまま目を覚まさないのかな……、なんて考えが何度も思い浮かんでは頭の中で否定して…
煉獄さんの時と同じように
死んじゃうんじゃないかって…、絶対そんなことになって欲しくない思いが強過ぎる私は
この1ヶ月間、睡眠時間を削って
伊之助くんと炭治郎くんの容態を見に来ている。
もしかしたら、私が寝ている間に
2人の容態が急変してしまう可能性もあるから…、手遅れになったしまわない様、
ここ最近ずっと仕事の時間以外は
伊之助と炭治郎くんの病室に留まっている。
2人が元気な時は、鍛錬に付き合って!とか
腹が減ったから飯食いたい!とか
騒がしいな…って思うこともあるけど
やっぱりこうして意識がない静かな状態よりも
元気な姿の方が見たいよ…。
炭治郎くんの寝顔を見つめながら
泣きそうな気分になっていると
私がいるこの病室に近づいてくる足音が聞こえて来た。
カ「…さん、師範がお呼びです。」
『え…?』
病室にやって来たのはカナヲちゃんで
しのぶちゃんが私を呼んでいると伝えに来てくれたようだった。
カナヲちゃんはいつも落ち着いてて
表情もあんまり変わらない静かな子だけど
私と視線が合うと、少し悲しそうな顔付きになった。
カ「さん…、
炭治郎が心配なのは、みんな一緒です。」
『…?』
カ「だから…、1人で無理をしたらだめですよ…?
さん凄く…疲れた顔してます…」
『カナヲちゃん…』
…年下の子に心配をかけるなんて、情けないな、私。
確かに疲れてない、と言ったら嘘になるけど
以前、無理をしすぎて倒れた事があるから
自分の限界はちゃんと把握してる…
カナヲちゃんに心配を掛けさせちゃったのは良くないけど、体にはまだ余裕が残ってるし、倒れるほど疲労は感じてない。