第22章 恐怖
『はぁーーーー…、雪の呼吸、参ノ型…!』
「っ、おぉっ、と……、危ねェなァ…」
再び攻撃を仕掛ける私だけど
やっぱり毒を喰らっていることに変わりはないから、いつもより早く動けなくて
型を出してもあと少しの所で避けられた。
それでも私は諦めずに
体が動く内に刀を振い、首を狙い続けた。
「チッ…!しつけェなァ…!!」
少しずつ鬼にも焦りが見え始めて
動きが雑になっていることに気付いた私は
鬼の隙を見逃さない様に攻撃を仕掛け続けた。
でも…
「ん……、ひっ…!?な、何なのこれ!!?」
『!!!!』
私が鬼と戦っている最中に
捉えられている女性の1人の意識が戻ってしまった。
しかもその女性は目の下にホクロがあり…
街で見た人物画と瓜二つ。
きっとこの人は、あの母親の娘さんだ…。
「やだっ!!な、何なの!?
何で私縛られてるの!?外れないじゃない!!」
「あー…、ピーピーうるせぇ女だなァ…。
…今は黙って眠ってろよォ…?」
『っ、やめて…!!!!』
鬼は私からその女性に視線を逸らし
ニヤリ、と不気味な笑みを浮かべると
少しだけ離れた場所にいるその人に向けて手を伸ばしていた。
確実に女の人へ危害を加える気だと…、瞬時に察した私は止めるように叫んだけど、鬼の手から強い甘い匂いが出始めた。
「血鬼術…、甘欲粉散……!!」
『!!!!』
鬼の手から大量に出て来たのは粉状の花粉のようなもので…
強い甘い匂いがすることから
体に浴びてしまうのは危険だと…
そう直感した私は、足に力をいれて
思い切り床を蹴り、その女性の前に立ちはだかって
粉が当たらないように盾となった。
『くっ…!ぅ…ッ、あぁぁぁぁっ…!!!!』
粉を吸い込まないように息を止めて
女性を庇うように抱き締めていただけなのに…
隊服の上や、
顔や手など、露出している肌に少し浴びただけで、先程とは比べ物にならないスピードで全身が火照り出した。