第19章 看護 ✴︎
「!!起キテ!」
『スー…、んん…、もうお腹いっぱいだよぉ…』
鴉が声をかけているにも関わらず
未だ熟睡しているは
夢の中で甘い物を食べているのか
幸せそうに寝言をこぼしていて…
鴉はそんなを見ると距離を縮め、嘴で頬を突付き出した。
「寝惚ケテンジャナイヨ!!!
サッサト起キナサイ!!!!」
『ッ、いたぁっ…!痛い痛いッ…!!』
あんな尖った嘴で突付かれたら
さぞ痛いだろうな…、とに同情していると
彼女はすぐに目を覚まし、勢い良く飛び起きた。
『も〜…、痛いよカヨちゃん…、
あ…っ!!冨岡さん!!おはようございます!』
「ん、おはよう。」
『もう起きて大丈夫なんですか?熱は…』
「っ…」
布団の上で上半身だけを起こしている俺に
は手を伸ばしてきて、体温を測る為に額に触れてきていた。
たったそれだけの事だというのに
に触れられただけで、心臓が大きく高鳴り…
好きな女にいきなり触れられると
俺は毎回反応してしまい、もっと触れて欲しい…
もっと触れたい…、というふしだらな思いを抱いてしまう…。
そのような俺の考えをに悟られぬ様、平常心を保とうとしていると、俺の額からの手は離れて行った。
『良かった…。36度台の平熱に戻ってますね!』
「…お前の看病のお陰だ。礼を言う。」
『私のせいで熱を出させてしまったんですから
看病するのは当然です。
でも、元気になったようで本当に良かった…!』
は俺の看病をしていた事で寝不足のはずだが
疲労を一切感じさせないほど
俺に向けてきた笑顔はとても眩しく明るかった。
コイツの笑顔は
出会った頃から全く変わらず太陽のようで
誰よりも可愛らしく、俺はいつも見惚れてしまう。
伊黒と出掛けた事に嫉妬して
仲直りを出来ていなければ、俺はの笑顔を奪うところだった、と思うと……
想像するだけでゾッとし、恐怖を感じた。