第19章 看護 ✴︎
side 冨岡
チュンチュンッ
「…ん……」
鳥の囀りが聞こえて目を覚ました俺は
どうやら一晩中、一度も目を覚ます事なく眠っていたようで、日が昇り、朝を迎えていた。
睡眠時間をかなり摂ったからか、
昨日、高熱があった時のような体の怠さは無くなり
平熱に戻った事に安心しながら
額に置かれている手拭いを手に取って布団から体を起こすと、愛しい恋人の姿が目に入った。
「…」
『スー…スー』
布団に突っ伏して穏やかに眠っているは
俺が起きた事にも気付かない。
朝から恋人の可愛らしい寝顔を見ることで
穏やかな気分になっていると
の目の下には、寝不足を象徴する隈が出来ていている事に気付いた。
先程、手拭いを手に取った時
まだ少し冷たさが残っていたから
きっとは、俺が眠っている間に
何度か手拭いを冷やしてくれていたんだろう…。
俺の状態を見ながら、恐らく一晩中…ずっと…。
「お前は…、本当に優しい女だな…」
俺の独り言にも気付く気配がないまま
熟睡しているを見ていると
彼女に対する愛しさが込み上げてきて…
己の手が無意識に動き出し
の頭を撫でていた。
『ん〜…、お団子ぉ…』
「…フッ。」
…一体どのような夢を見ているんだ。
コイツの好物は甘い物だが
まさか夢の中にまで出てくる程に好きなのか、と
寝言で団子、と呟いたの可愛らしさに
笑みを溢しながら頭を撫でていると
部屋の外の通路に、一匹のカラスがやって来た。
「カァーーーッ」
「あの鴉は…」
鳴き声を聞くと、鴉は寛三郎ではなく
確かについているカヨという鴉だったはず…。
その鴉を見つめていると
カヨは部屋に入ってきて
眠っているに声をかけ始めた。