第19章 看護 ✴︎
「…仕方ない、今日のところは諦める。」
『その方が私も安心です…。
体、辛いですか?』
「熱があると意識したら…、少々体が怠く感じてる。」
…むしろ何で今まで気付かなかったのか不思議で突っ込みたいところだけど
私は自分の乱れていた浴衣を着直して
布団に寝転がっている冨岡さんに掛け布団を掛けてあげた。
「お前は…額に触れただけで体温が分かるのか?」
『あ、はい。
元々病院で働いていたので
何となくの感覚で分かります。』
「そうか…。」
横になりながら話をしている冨岡さんだけど
様子を見ていたら、この短時間で少しずつ悪化していっているようで…
頬がほんのり赤くなり
呼吸も浅く繰り返されていて、かなりしんどそうになってきていた。
冨岡さんがこうなってしまったのは雨に打たれたからによるものだけど、そんな状況を作り出したのは間違いなく私…。
目の前で苦しそうにしている冨岡さんを見ていたら
ひどく胸が痛んだ。
『…。ごめんなさい…。』
「…?なぜ、謝る…?」
『だって…
私が意地になって、冨岡さんをずっと外で待たせちゃったから…体調を崩されたのは私のせいです…。』
…自分のした事に反省し俯きながら謝罪をすると
冨岡さんは私の手を握り締めてきた。
「元はと言えば俺が悪い…。お前は気にするな。」
『っ、でも…』
「熱が出たのは想定外だったが
お前とこうして2人きりで時を過ごし、仲直りをすることが出来て…、俺は非常に嬉しく思ってる…。
だから自分を責めるのはやめろ。」
『うぅ…、分かり、ました…。』
真剣な表情でそう伝えられた私は
何も言い返すことが出来なくて…
冨岡さんは、私が私自身を責める事を本当に嫌がっていそうだから素直に従う事にした。
『あの…、じゃあせめて
このまま冨岡さんの側で看病をさせて貰えませんか…?』
自分を責めるなとは言われたけど
やっぱり熱を出させた事に責任を感じるから…
私が今、出来ることと言えば
冨岡さんの体調が早く良くなるようにお世話をすることだ。