第19章 看護 ✴︎
伊黒さんにも蜜璃ちゃんへの気持ちは他言無用って言われてるし、黙っておこう…。
『あの…、冨岡さんは
私と伊黒さんが仲良くなったって言ってましたけど、どうしてそんな風に思ったんですか?』
「お前と伊黒が…
甘味処に2人でいるのを見た隊士がいたんだ…。
仲が良さそうにしてたと聞いて…」
『ふふっ、妬いてくれたんですね?』
「っ…」
照れ臭そうに目を背けた冨岡さんが可愛くて笑みを溢していると、ずっと握ったままでいる冨岡さんの手に少し力が入ったのを感じた。
「買い物に付き合った礼で、甘味処に行ったようだが…
それはあまり…いい気がしなかった…」
『そうですよね…、ごめんなさい…』
確かに、もし逆の立場で
冨岡さんが私以外の女の人とお出かけしたり
楽しそうに話していたのを聞いたら
私も冨岡さんと同じようにいい気は全くしない…。
…想像するだけで悲しくなるし苦しいから
私の行動も軽率だったと反省しないといけないよね。
『今後は…出来るだけ行かないようにします…。』
「あぁ…。そうしてくれると助かる、
それと、安心する。」
『でも…あの…、柱の人にまた誘われたら
断る方が失礼になっちゃうので…」
「分かってる、その時は我慢するつもりだ。」
『もし行く事になってしまっても……
私が好きなのは…冨岡さんだけですからね…?』
「っ、わざわざ言わなくても知ってる…」
私の発言に冨岡さんは少し頬を染めていて
そんな風に照れているところも大好きで
胸の鼓動が早くなっていくのを感じていると
冨岡さんの為に買った髪紐の事を思い出した。
『あ…!!忘れてたっ』
「…??」
繋いでいた手を離して立ち上がった私は
先程着替えた雨で少し濡れている隊服を置いた場所に行き、ズボンのポケットに手を突っ込んで、例の濃青色の元結を取り出した。