第18章 憤慨
『なん、で…?
また日を改めればいいのにっ…!』
「義勇ハ…、ソウイウ男ナンジャ…。
殿ノ事…、イツモ想ッテル…。
オ主ガ…大切ナ恋人ダト…、ヨク言ッテル。」
…何でカラスの寛三郎さんにそんな事言ってるの?
でも、冨岡さんがカラスにまで
私が大切だと言ってくれてたのは嬉しくて…
冨岡さんと距離を置こうとしてた自分が情けなく思えた。
『私も…っ、冨岡さんが大切です…、
すっごく好きです…!』
「デハ、早ウ行ッテアゲテクレヌカ…?
雨足ガ強マッテルヨウジャ…」
『はい…!すぐ向かいます!
…あ!寛三郎さんは雨が止むまで
ゆっくりしてていいですからね!』
私は寛三郎さんの返事を聞く前に
急いで部屋から飛び出した。
雨が降り出してからそんなに時間は経ってないけど、寛三郎が言っていた通り、雨の音は少しずつ強くなっていってる…
こんな雨の中、冨岡さんが本当に外で私を待ち続けてるのかと思ったら心配な気持ちが抑えられなくて
蝶屋敷の玄関から傘を持って外に飛び出した私は
急いで門の外に向かった。
『っ……!!』
門から少し離れた場所にいた冨岡さんは
雨で既にずぶ濡れの状態で…
傘もささずに立っていて、
私は傘を差しながら急いで冨岡さんの元に近付いた。
『冨岡さん…!!』
「…?っ、…」
『ごめんなさいっ、何時間も待たせて…!!
本当にごめんなさい!!』
謝って済む事じゃないけど
これ以上雨に濡れないように、差している傘を冨岡さんの頭上に向けようとした瞬間…
「…っ」
『わっ…、』
傘を持っていた方の腕を掴まれ、グイッと引っ張られると、冨岡さんに強く抱き締められていた…。
『冨岡さんっ、あの…傘を…』
「ごめん…」
『えっ…』
「俺が悪かった…。本当に…ごめん…」
『っ…、もう…遅いですよ…っ』
私を抱き締めながら謝る冨岡さんの声色はとても弱々しくて…
そんな風に謝られたら……怒ったり責めたりする気にはなれなかった…。