第18章 憤慨
『すぅーっ…はぁ…』
…バキッ…ドスッ
バキ、バキッ……
『はぁー…、ふーっ…』
キヨ「あ、あの〜さん…
少し休憩されてはいかがですか…?」
『ううん、まだ大丈夫。もう少ししたら休むね?』
私は今、蝶屋敷の庭で
ひたすら打ち込み台に木刀で打ち込む鍛錬を行ってる。
本当は誰かと打ち合いたかったけど
相手が見つからず、一人で出来る事といえば
今やってる打ち込み稽古くらいだから。
キヨちゃんがソワソワしながら声を掛けてくれたけど、今の私は何かに没頭して憂さ晴らしをしたい気分で…
朝からずっと打ち込み続けているから
もう何本木刀が折れたか…、打ち込み台を何台壊したのかも分からない。
どれだけ打ち込んでも
先日の冨岡さんとの一件を思い出すと
モヤモヤした気持ちになってきて…
打ち込んでは木刀が折れ、打ち込み台が壊れ
新しい物を用意して…、ずっとその繰り返し。
冨岡さんとあんな事があってから数日経った今でも、私の機嫌はなかなか良くならない…。
キヨちゃんだけでなく、蝶屋敷にいる他の皆んなも
普段と様子が違う私に気付いていると思うけど
ずっと私が不機嫌だから、詮索されることはなかった。
…まぁ、もし聞かれても言えるはずないし
思い出すだけでムカつくから言いたくないんだけどね。
『はぁーっ…、よし…』
呼吸を整えて木刀を振りながらでも
冨岡さんとの出来事を思い出した私は
心の中で悪態を吐いた。
…何で伊黒さんと買い物に行っただけで
あんなに怒ってきたの!?
…仲良くなったって何!?
柱の人に頼まれたら断れるわけないじゃん!!
…伊黒さんにはちゃんと好きな人がいて
私はただ役に立ちたかっただけだし!!
…私の言い分は聞こうとすらせず
怒り任せに外で迫ってくるとか許せないっ!!
…しかもあれから数日経ってるのに
謝りにすら来ないし!!!
『あー…もう…!!』
思い出せば出すほど怒りが増した私は
木刀を強く振り過ぎてしまい…
バキッ…、ゴトッ…
また木刀と打ち込み台を壊してしまった。