第17章 進物
「俺も…、お前達の様に
いつかはなりたいと…そう望んでる。」
『っ、ありがとうございます…!!
私、伊黒さんのこと応援してますからね!』
「…。では、これ……どう思う?」
伊黒さんが手に取って見せて来たのは
小さいリボンがついている元結(もとゆい)と呼ばれる、髪を結ぶ為の細い紐のようなもの。
リボンの色は黄色だから
女性でその色が嫌いな人はいないはずだし
リボンの大きさも大き過ぎないから派手でもなく、私から見ても凄く可愛らしいデザインだった。
『黄色なら、よく笑ってる明るいその方にも
ピッタリだと思います!!可愛いです!!』
「…。喜んで…くれるだろうか…」
『私だったらめっちゃくちゃ嬉しいですよ?
だって、伊黒さんが一生懸命選んでくれた物ですし
こういう贈り物って、贈りたいって気持ちが一番大事だと思うんです!!』
…まぁ、私には贈ったことも贈られた経験もないけど、プレゼントを貰って嬉しくないと思う女の人は少なくて、喜ぶ人の方が絶対多いはず。
私がもし冨岡さんから贈り物を貰ったら
どんな物でも絶対嬉しくなるもん。
「お二人さん、いい物は見つかったかい?」
「…すまないが、これを。」
「んじゃ、包むから少し待ってて下さいな。」
「宜しく頼む。」
伊黒さんとおばさんのやり取りを見ながら
無事にプレゼントが決まって安心した私は
包んでもらっている間、他にどんな装飾品があるのか物色する為、伊黒さんが選んだ物が置かれていた辺りを見る事にした。
『あ……。』
「…?どうした?」
『これ…、綺麗だなって思って…』
ふと視界に入って釘付けになったのは
冨岡さんの瞳と同じ濃青の紐。
伊黒さんが選んだものみたいに
リボンとかのアクセントは何も付いてないけど
上品な美しさを感じた。
「お前…、本当に冨岡の事が好きなのだな…」
『!?』
伊黒さんのその発言からして
私が冨岡さんの瞳を連想してるんだとバレている様で…
恥ずかしさから何も言えずにいると
おばさんが包み終わった商品を運んで来た。