第17章 進物
衣服を扱っている店、
日用品を扱ってる店、
履き物を扱ってる店…
伊黒さんはどのお店に行っても
プレゼントを渡す相手の事を思い浮かべているのか、ずっと真剣な表情だった。
…でも、贈り相手のイメージに合う物が見つからないようで、プレゼント選びは難航していた。
『あの〜…、伊黒さんが贈り物をしたい方って
どんな人なのか聞いてもいいですか…?』
「…。よく、笑ってる。」
『笑うってことは…、明るい女性なんですね!
他には何かありますか?
例えば…、私みたいに眼鏡をかけてる、とか
何か特徴的な事があれば…』
「いつも、髪を結っている…。」
『結ってるってことは、髪は長い人かぁ…。
っ、あ!!そうだ!!伊黒さん!
私に少し着いてきてもらえますか?
行きたいお店があるんです!』
「あぁ…、構わない。」
伊黒さんの了承を得たところで
私は自分の記憶を頼りに、とある店に向かい始め
数分歩くと、以前来た時と変わり映えのない風景が見えてきて、目的地に到着した。
「ここは…呉服店、だな。」
『はいっ。私、このお店に来た事あるんですけど
着物や帯だけじゃなくて
髪に施す装飾品も沢山置いてあったの思い出して…。
良かったら見てみませんか?』
「ん…、承知した。」
返事を聞いてから、私達は早速お店に入り
相変わらず沢山の綺麗な着物がズラッと並んでいる事に圧倒されていると、お店の中から1人の女性が出てきた。
「…おや?この前来てくれた嬢さんじゃないか。
また来てくれたのかい?」
『こんにちはおばさんっ!
覚えててくれて嬉しいです〜っ!』
「あんたみたいな別嬪さんを忘れる訳ないさ。」
『え〜?
おばさん相変わらず褒め上手ですね!』
以前会った時と同じで
呉服店のおばさんは明るくて話しやすいから
つい色々と話し込んでしまいそうになったけど
私は一緒に来た伊黒さんをおばさんに紹介した。