第17章 進物
し「私…、本当は冨岡さんなんかに
さんを幸せに出来るはずがないと思ってました。」
『な、なんかって……言い方ひどいよ…』
し「ですが、今のさんは幸せそうで安心しました。
この前の一件でも、冨岡さんが自ら行動したり
誰かの為に怒っていたのも初めて見ましたから…、恋心は人を変えるのだと実感したんです。」
『うん…、私もあの時は
冨岡さんが怒ってくれたの…嬉しかった…。』
し「ふふっ、冨岡さんを変えたのは
紛れもなくさんです。
私はこれからも、お二人の事を応援してますからね?」
『しのぶちゃん…、っ、ありがとう!
私ね、冨岡さんも好きだけど、しのぶちゃんも大好きだよ!!』
し「あら〜、それは光栄です。」
しのぶちゃんにはいつも助けられてばかりで
冨岡さんとの仲も心配してくれて…
任務から戻ってきた時は
また沢山ハンドマッサージでもしてあげようと意気込んでいると、庭の方から静かな足音が聞こえてきて
それは私達がいる縁側の方に近付いてきているようだった。
し「…?あら、伊黒さんじゃないですか。
珍しいですね。」
伊「急に邪魔をして悪い。…も一緒か。」
『あ、はいっ!こんにちは!』
上官である蛇柱の伊黒さんが突然やって来たことに驚きながら、私は挨拶をしてペコリと頭を下げた。
伊黒さんが1人で蝶屋敷を訪ねてくるなんて
私は初めて見たから、しのぶちゃんに急用でもあるのかと推測していると、伊黒さんは
ジーッと私のことを見つめているようだった…。
し「…?さんに何か御用でも?」
伊「…。胡蝶、コイツを借りてもいいか?」
『ぇ…、わ、私…?』
し「まぁ…別に構いませんけど…」
伊「…、着いてこい。」
『あ…、は、はいっ。』
一体私に何の用があったのか全然分からないまま、伊黒さんが背を向けて門の方に向かって行ったのを見て
私は慌てて玄関から回って外に出た。