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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第14章 濡衣




素直に自分の本音を伝えた私は
しばらくの間、冨岡さんの腕の中で涙を流し続けていたけど


彼は何も言わず
ただただ優しく抱きしめ続けてくれて…

私が泣き止むまで
ずっと寄り添っていてくれた。




「…落ち着いたか?」

『はい…。あの、私…冨岡さんの前では
泣いてばっかりですね…、すみません…。』


「謝罪は不要だと以前にも伝えた。
それに、俺はの恋人だ…、
お前が素直に泣けるような存在でありたい。」






私にとって冨岡さんは
とっくにそんな存在なんだけど…。



これまで何度も冨岡さんの前で泣いてるのに
迷惑に思ってる感じが一切しないから
私はいつも安心して泣けるんだよね…。






『冨岡さんは私にとって…
すでにすっごく…特別な人です…。』

「っ…」





…こんなこと、
顔を見ながらだったら絶対言えない。



でも今は、
ずっと私の背後に冨岡さんがいてくれるから
恥ずかしくても、素直な気持ちを伝える事ができた。





『…大好きです、冨岡さん。』

「…っ」

『…?冨岡さ……、わっ…、!?!?』





…ムニッ





背後から何の反応もない事を不思議に思っていると
私を抱き締める冨岡さんの腕の力が強くなって…

上半身が冨岡さんの体にすっぽりと収まると
冨岡さんの手の位置も移動し、私の体の一部に触れていた。






「そんな事を言われると…
お前の事しか考えられなくなるだろ…」

『っ、と、冨岡さん…?』




まさか…気づいてないの…!?




強く抱き締めてくれるのは嬉しいけど
冨岡さんの手の置き場が気になって仕方がなくて…、モゾモゾと身を捩ると、また少し力が強くなった。






「…動くな。今日は力の加減はしている。」

『そ、そうじゃなくてっ…!!
あの…手が…』


「手…?」


『冨岡さん…、今…
どこ触ってるか…分かってます…?』


「!!……っ、ごめん……無意識だった…」





…やっぱり気づいてなかったんだ。




冨岡さんの手が置かれていたのは
ちょうど私の胸の辺りで…



指摘した途端、冨岡さんは気付いてくれて
すぐに手を離していた。





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