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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第14章 濡衣





「…は今どうしてる?」


し「ずっと部屋に篭っています。
他の隊士と顔を合わせないように気を遣っているようでして…。
"私を見かけたら
嫌な気分にさせちゃうから" と…、そう仰っていました。」


「…。」


し「私とカナヲが鍛錬にお誘いしても
一歩も部屋から出ようとしません…。
さんは何も悪くないというのに…
こんな仕打ちは酷すぎます…。」




…胡蝶の言い分は最もだが、
俺には御館様がに謹慎の命令を出した事には、何か事情がある気がしてならない。

きっとあの方なりの御考えがあるはずだ…。




し「正直言って
どうやったらさんを元気付けれるのか…、私には分かりません…。」


「お前は精一杯やっている…。
今も何処かへ出掛けようとしていたのは
何か探る為だったんじゃないのか?」


し「…冨岡さんのそういう無駄に鋭い所、苦手です。」


「…。」


し「ですが……、今のさんには
貴方が必要なようです…。
お願いしてもいいでしょうか?」


「…言われるまでもない。」




…好きな女が辛い思いをしている時に
支えてやれないようでは、恋人として失格だ。


が苦しい思いをしているなら
俺も一緒にその気持ちを背負ってやりたい…


彼女の負担が少しでも軽くなるように
力を貸してやりたい…



このように思ったのもと出会ってから初めてだが、全く面倒だとは思わない…


俺はそれほど、に惚れているんだ…。




し「…冨岡さん、少し変わりましたね?
すごく人間らしくなってきてますよ?」


「俺は元々人間なんだが…」


し「そういう意味ではありません…。
まぁ、とにかく、さんの事
よろしくお願いします。」




胡蝶は俺にそう言い残して、すぐに姿を消した。




彼女の言っている意味はよく分からなかったが、今はそんな事を考えるよりも、の元へ向かうことの方が大事だ。




…俺は屋敷の中に入り、の自室へと向かった。



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