第14章 濡衣

炭「善逸っ…！この人は柱なんだから
そんなに睨んだらだめだよ…！」


善「うーー…、何でこの人が…さんと…」


「…。」


炭「す、すみません冨岡さん…。
善逸はさんに懐いてたので…
冨岡さんと恋人になられたことに
ショックを受けてるんです…。」



「…から聞いたのか？」



炭「いえ、そうじゃないんです…。
実は、先日さんが別の人に告白されてましたよね？善逸は耳がいいから、その時の会話を全部聞いてしまったようで…」


「……、あぁ…あの時か。」



説明を聞いて納得がいった俺は

未だに睨み続けてる黄色頭の少年と
大声で何かを言っているあの橋頭の少年を無視し、先程話していた事について尋ねた。




「…お前達、
先程が悪口を言われていると言ったな？
もう少し詳しく聞かせてくれ。」


炭「え……、冨岡さん、ご存知ないんですか…？
さんについて流れてる噂のこと…」


「噂…？どんな噂なんだ。」



あまり人と接する事がない俺は
の噂話が流れているのは初耳で…


……その噂内容を聞いた俺は
怒りの感情を抑えきれなかった。




「……一体誰だ、
そんな噂を流した奴は…」

炭「っ、お、俺達も知らないんです…本当に…」





…聞くに耐えないような内容だった。





が男を誑かしている、

蝶屋敷で男を誘惑している、

強引に迫って俺の恋人になった、など…





の人物像とはまるで違う噂が流れていることに苛立った俺は、怒りのあまり、無意識に手を強く握り締めていた。





炭「冨岡さん…、実はさんのことで
もう一つお伝えしたい事が…」

「…。他にも何かあるのか？」

炭「はい…、俺達は信じていないんですけど…
さんが隊士の1人に怪我を負わせて
今は…謹慎させられているようです…。」


「っ、！！？」





そんな事…あり得ないだろう…。



は人を助ける事はあっても
傷つけるような奴じゃ無い…。