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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第14章 濡衣




…しのぶちゃんが冷静に話をしても
この男性は怒りで頭に血が昇っていて
私達の言い分を全く聞く気がなさそうだった。






「とにかく!!
息子に怪我をさせた以上
相応の報いは受けて貰うからな!?
覚悟しておけ!!!」




そう吐き捨てるように告げた男性は
蝶屋敷から出て行った。





『…。なんで……?
こんなに嫌な事ばっかり…起きちゃうの…?』

し「っ、さん…」

『私……なにか悪いこと…したかなぁ…』





自分なりに頑張って来たはずだった。

柱との稽古がどんなに辛くても
一体でも多くの鬼を倒すために力をつけて
夜通しの任務だってこなしてきた。


冨岡さんの恋人として
堂々と隣に立てるような人間になりたくて
毎日一生懸命に過ごして来たのに…。




突然嫌な噂話が流れて
今日は怪我をさせたっていう濡衣を着せられて…


なんでいきなりこんな不幸な事が続くんだろう…。





し「さん
先程の人が言っていた事…
もう少し詳しく聞かせて下さい。」




しのぶちゃんにそう聞かれた私は
任務で起きた事を全て話した。

わざわざ話さなくても
彼女は私が怪我をさせたんじゃないって分かってたみたいで…



嘘をついた隊士の人に対して
かなりご立腹な様子だった。




噂話のことだけでなく
今回の件もしのぶちゃんは調べてくれると言ってくれて、自分の味方がいてくれるのが、すごく心強かった。




そして、早速情報収集に行くと言って
屋敷を出て行くしのぶちゃんを見送った私は

任務帰りということもあり
自分の部屋で少し休息を取る事にした。






『何か私に…出来ることってないかな…』





本当なら西口さんの友人の元に行って
面と向かってちゃんと話をしたいけど
それはしのぶちゃんに止められてしまった。


彼の父親がわざわざ話に来たってことは
私の言い分を聞いてくれるとは思えない、と言われたから…。




それでも、噂話のことも含めて
全てを早く解決したくて、自室でひたすら思考を巡らせたけど…





数時間経っても
特にいい案は思い浮かばず…

とりあえず何か行動しないと、と立ち上がった瞬間…









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