• テキストサイズ

《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第14章 濡衣





「水柱の女だからって調子乗るなよ?」

『…調子に乗っている訳ではありません。』

「生意気な言い方しやがって…。
ったく、西口もこんな女のどこがいいんだよ…」





…私から言わせれば
西口さんはどうしてこの人と友達なのかが不思議だよ。


性別の違いと、西口さんの告白を断ったからって
ここまで人を嫌いになれるなんて…。




「なぁ、どうやって水柱を口説いたんだよ?」

『だから…何も答える気はありません。』

「…あー、そうかそうか、
人に言えないような口説き方したんだろ?
アンタ顔は地味だけど、いい体してるからな〜」


『っ…』




…本当になんなの、この人、気持ち悪い。



同じ鬼殺隊として恥ずかしい。



大体、冨岡さんに対して口説いたつもりなんてないし、体を使って男の人を誘惑したことだって一度もないのに。


もう任務中は相手にするのをやめよう…、と思っていると、その隊士は私の肩に手を回してきた。






『ちょっと…!やめて下さい!!』

「はぁ?こういう風にされるの好きだろ?
嫌がるフリとかしなくていいって。」

『フリじゃないです!!っ、離して!!』

「っ、いってぇな…!!!!」




無理矢理肩を寄せようとする隊士の手に
私はバシッと力強く叩いた。


痛みに顔を歪めた隊士は逆上して
私の胸ぐらを掴んできて…


そんな様子を見ても
他の隊士達は地面に座ったまま傍観してるだけだった。






「女のくせに俺の手を叩いたな!?!?」

『っ、あなたが変な事をするからでしょ!?』

「どうやら少し…
痛い目見ないと分からないようだな!?」





鋭い睨みを効かせてくる隊士を睨み返していると、山に生えている木々の奥から
嫌な気配を感じ取った。






『……来る…』

「…は?」

『鬼が…近づいてきてる…、っ!?!?』

「!?うわッ……!!」

「お、鬼だ…!!!」

「なんで急に出てくんだよ!!」




思っていた通り
鬼は私達の近くに潜んでいたようで…



私と隊士の間に割り込むように
木の上から飛び降りてきて、私達は全員、鞘から刀を抜いた。


/ 275ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp