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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第14章 濡衣





今回行動を共にする隊士は5人ー…。


私と、西口さんの友人の1人を除いて
他の3人は全員が初対面…なのに…





「女と組むとかやりにくいよな…」

「確かに…。
鬼と遭遇したらきっとすぐ逃げ出すぞ?」

「まぁ、その分俺達が活躍できるだろ。」





…ずっとこんな調子で私の悪口が止まらない。




1人だけ女なのは悪いと思うけど
私は逃げ出すことなんてしないのに…。



コソコソ話しているようだけど
私が反応しないのをいい事に
隊士達の声量は次第に大きくなっていってる。



悲しい気持ちを通り越して
最早呆れてきている私は、悪口に対して何も否定せず、彼等の後をついて行った。




既に日が暮れていて夜になり
山の中腹辺りまで登ってきたから
いつ鬼が現れてもおかしくはない…。



そんな時…





「よーし、この辺りで一度休憩するか。」

「賛成〜」
「丁度休みたいと思ってたわ。」

『え…』




突然そんな事を言い出した西口さんの友人…。




いつ鬼に襲われるかも分からないのに
私以外の隊士達も疲れたと言い
その場にドサっと地面に座り込み
焚き火を焚こうとしていた。






『あ、あの……。
ここで休憩するのはちょっとまずいんじゃ…』

「はぁ?俺に指図すんなよ。」

『指図じゃなくて意見です。
こんな所で火を焚いたら
鬼に居場所を教えるようなもので…』

「うるせぇな。
みんな疲れてんだから空気読めよ。
女のくせに偉そうに意見すんな。」


『…。』



…なんて分かりやすい男女差別。




私がいた時代にこんな人がいたら
確実にみんなに嫌われるよ。




そんな事を言うわけにもいかない私は
隊士達が座り込んでる中で、ただ1人立ったままで周りを警戒することに徹した。





「そんな心配しなくても鬼は来ねーって。」

『…念の為に、ですから。
皆さんは休んでていいですよ。』

「それより聞かせろよ、
どうやって水柱を堕としたんだ?」

『…。』

「おいおい、無視するなよ〜」

『…任務以外の質問に答える気はありません。』




…そんな私の返答が気に入らなかったのか
隊士は苛立ちながら私に近付いてきた。




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