第11章 今際
『んー…。
血鬼術を扱うような鬼は出なかったなぁ。』
予定していた場所を順番に訪れ
現れた鬼を全て滅殺し終えたところで
夜が明ける前に蝶屋敷へ帰れることになった。
夜明けまでがかかる可能性もあったけど
思っていたより早く帰れることになって
私の気分は上がって来ていた…
でも、そんな時…
「カァーー…」
『ん…?』
カヨちゃんとは違う別のカラスの鳴き声がして、不思議に思いながら夜の空を見上げると、一匹のカラスが私の前に降り立った。
「伝令ッ、伝令!!……………。」
『っ、それは本当ですか…!?』
カラスから聞かされた事は
信じられなかったけど事実のようで…
私はすぐに蝶屋敷とは別方向に向かって走り出した。
『煉獄さん…、炭治郎くん、伊之助くん…
善逸くん……禰󠄀豆子ちゃん……っ』
カラスから伝えられたのは
みんなが任務で、人間の行方不明者が多数出ている汽車に乗り込んでいること。
そこでは下弦の壱の鬼が現れ
その鬼は既に撃破したらしいけど…
汽車が止まり、乗客の無事を確認している最中
新たな鬼……上弦の参が現れたようだった。
現在は煉獄さんが応戦中で
私は助っ人に向かうよう指令を受けた。
上弦の参…
この時代に来てから初めて遭遇する、
かなりの力を持った強い鬼…。
そんな鬼を相手に私の力が通用するかどうかは分からない…。
でも、煉獄さんがいてくれるから
私にとっては凄く心強い。
サポートに間に合うかどうかは分からないけど
もうすぐ夜が明ける…
煉獄さんや他の皆が無事である事を祈りながら、ひたすら全力で走り続けていると、汽車が出発した駅に到着し
そこには隠部隊が待機していた。
後「さんっ!?何故ここに…!?」
『煉獄さんの助っ人で呼ばれたの!!
急いでるからもう行くね!!』
後「はい!……、ってもう見えねぇーーー!!
速ッ!!!!」
隠部隊の顔見知りである後藤さんに声を掛けた後、私は駅のホームから線路の上に飛び降りて、汽車が向かった方に走り出した。