• テキストサイズ

《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第11章 今際




「…、水柱ノ事
本当ニコノママデイイノ?」

『いいも何も…、もう終わった事じゃん。
冨岡さんみたいな凄い人には
もっと強くて綺麗な女の人がお似合いだと思うし!』

「…。ダッテ綺麗ダシ強イヨ。
柱達トノ稽古モ、挫ケズ頑張ッテルデショ…」





…なんか私、カラスに慰められてる?




最初の頃はカヨちゃんに嫌われてたけど
私が大泣きしたあの日以降から
カヨちゃんはずっと私の事を気に掛けてくれてる…


カラスに慰められてる事は情けないけど
彼女の優しい気持ちが嬉しくて、私はカヨちゃんの喉元をゴロゴロと指で摩った。




『カヨちゃん、いつもありがとう。
確かにまだ辛い気持ちは消せないけど
私は大丈夫。だから心配しないで?』


「別ニ…、心配ナンカシテナイカラ!!」


『ふふっ、そっかそっか。
じゃあ私の思い違いだったね。』


「心配……トカジャナイケドサ…
ノ本当ノ気持チ、
水柱ハ聞キタカッタト思ウヨ…?
アンタハ謝ッタダケデ、何モ伝エテナイシ。」


『っ……』



…カヨちゃんの言う通り
私は自分の気持ちを何も伝えていない。


死んだ母と同じようになっていくかもしれない、と考えただけで怖くなって、怯えて逃げただけ。


でも1番怖いのは、母の事を知られることより
冨岡さんに嫌われてしまうこと…


それに、こんなにも弱い自分を
冨岡さんには知られたくないんだ。





『カヨちゃん、気にしてくれるのは嬉しいけど
今は鬼狩りの仕事中だから集中しないと。』


「……ン、ソレモソウネ。
ジャア次ハ、ココカラ北西ニアル森ネ!」


『了解です!!』




思い出すだけで悲しくなる冨岡さんの事を考えないようにするには、仕事に集中するのが1番良い。





今日は指令を沢山与えられてるから
そつなくこなしていかないと、夜明けまでには終わらせられない。



その後の私は
カヨちゃんに伝えられた通りの場所に行き
鬼を斬って斬って斬りまくって…



10体ほどの鬼を斬り終わる頃には
数時間が経過していた。


/ 275ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp