第11章 今際
数時間前ーーー…
時刻は深夜。
大体の一般人はほとんどの人が寝ていると思うけど、私を含めた鬼殺隊はそれぞれ鬼を狩る為に任務に出ている。
カラスのカヨちゃんから指令を下された私は
とある街にやってきて、鬼狩りをしていた。
『ふーっ…、
雪の呼吸…、壱ノ型…粉雪斬り…!』
「っ、ぐへッ…」
人を喰う為に街中を彷徨いている鬼を見つけた私は、背後から気付かれないように鬼の首を斬った。
鬼が塵になって消えていくのを見届けていると、カヨちゃんが私の肩に降り立って来た。
「、次ハ南南東ノ方ニ向カッテ。
ソコニモ鬼ガ数体イルワ。」
『了解っ』
走ってすぐに目的地の場所に移動した私は
鬼の気配を辿り、一件の屋敷に侵入しようとしている鬼を見つけた。
『おーい、それは不法侵入だからだめだよ〜』
「!?グゥ……、ガァーーーー!!!」
急に声を掛けた私を見た鬼は
地面を蹴って私に襲いかかって来たけど…
柱達のスピードに比べたら
この鬼の速さは遅いとしか思えなくて
先程と同じ技の型を出し、スッと鬼の首を切り落とした。
「凄イネ、
稽古ノ成果、チャント出テルジャナイ。」
『うん、ありがとカヨちゃん。
でも今日の鬼達は
あんまり首が硬くない鬼ばっかりだね…』
「当タリ前ヨ。
ソンナ都合良ク十二鬼月ハ出ナイノ。
柱ダッテ中々遭遇シナインダカラ。」
『そう…なんだ……』
柱という言葉を聞いただけで
すぐに冨岡さんの顔が頭に思い浮かんだ。
冨岡さんに告白されてから数日経っても
あの日の冨岡さんを思い出すだけで胸が苦しくなる…。
このままあの人に会わない日が続けば
好きだと思う気持ちも薄れていくのかな…
今のところそんな予兆は全くなくて
告白を断ったくせに、冨岡さんの顔が見たい、会いたいなどと虫のいい願望ばかりが私の頭の中をよぎっている。