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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第2章 大正





『はぁ…っ…はぁ、はぁ…』



やった…


謎の生き物の妖怪を倒せた…。



初めて生き物の体を切断した時の感触が、まだ手に残っていて、それはあまりいい気はしなかったけど…




諦めずに頑張るって…こんなに気持ちよかったんだ…




剣道はしばらくやっていなかったから
誰かと戦うのも久しぶりで、私は喜びに満ち溢れていた。



…とはいえ、初めて妖怪と戦ったせいで
あちこちに出来た切り傷が痛いし
集中力を高めていたから、すごく疲れた。



また山道を歩いて
誰か助けてくれる人を探す気なんて起きないなぁ。




とりあえず、一度休憩してから…、と思っていると




先程切ったばかりの妖怪の体は
二つに切断されているにも関わらず
のそのそと動いていて…




「はぁーーー…よくもやってくれたなァ…」


『!!な…ん、で……』



二つの胴体がピタッ、と、くっつき
再び地面に足をつけて立ち上がった。




『なに……?どういうこと…!?』




この妖怪は…不死身なんだろうか…。


普通の人間なら、
胴体を切られて生きてるなんて絶対に有り得ないのに…!!




「残念だったなァ…。
俺は胴体切られたくらいじゃ死なねェんだよォ。
首を切り落としていれば、倒せたのになァ?」



…だったら最初からそう言ってくれればいいのに!!



と、言いたくなったが
自分の弱点を自分で晒すなんて
馬鹿なことは普通しないよね。




「すぐに殺してラクにしてやろうと思ったが
それはもう辞めだァ…。
痛ぶって痛ぶって……手足の骨から順番に折って
苦しみながら殺してやるよォ!!」


『っ……うわ…ッ!?』




妖怪は再び私に攻撃を仕掛けてきて
なんとか刀で受け止めたけど…





「おいどうしたァ!?
さっきより動きが鈍くやってるぞォ!?」





…そりゃあそうだよ。



ずっと重い刀を持って、戦ってるんだから。



さっきの銅技ですごく力を使ったし
今はもう体を動かすだけで精一杯なんだから。





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