第2章 大正
あの時…
稽古をつけてもらった最初の方は
全然避けきれなかった。
でも少しずつ、先生の動きを見ていたら
どんな攻撃を仕掛けてくるか判別できるようになった。
先生の手足の動き、目線など
注意深く見ることで、体も自然と反応できるようになった。
先生は、私の動体視力を鍛えてくれて
私を強く育ててくれた恩師…。
残念なことに、私が高校へ入学すると同時に
病気で亡くなってしまったけど…
あの時の教えはまだ…
私の体だって覚えているはずだ。
「ケッ、ちょこまかと避けやがって…。
まぁ、それもいつまで持つんだろうなァ!?」
『っ、…!!』
妖怪は再び間合いを詰めて攻撃を仕掛けてくるが
さっきよりも上手く避けることが出来てきてる。
相手の体の動きをよく見るんだ…
そうすれば必ず隙ができて
反撃のチャンスは訪れる!!
その機会を、絶対に逃さない…!!
『っ、はぁぁッ…!!』
「っ、なに!?!?」
僅かな隙が出来たところを狙って
私は妖怪の腕を狙い、傷を負わせることが出来た。
腕からはポタポタと血が流れていて
妖怪は私に傷をつけられたことに、驚いているようだった。
「てめェ…!!よくもやってくれたなァ…!?」
『うッ…!!』
再び仕掛けてくる、拳による連続攻撃…。
でも、もうその攻撃を避けることは容易かった。
最初は早く感じたけど、今はもう目が慣れて
狙ってくる攻撃場所が手に取るように分かる。
刀を使って攻撃を受け流したり
体を逸らして避けたり、と
なかなか私を倒せないことに
妖怪はイライラしているようだった。
「くそがッ!!さっさとくたばれェ…!!」
『!!』
ここだ…!!
妖怪は手を大きく振り上げ
私はその腕が振り落とされる前に
ガラ空きになった胴部に、刀を向けた。
『胴ーーーーッ!!』
「なッ、…!?」
…胴技が綺麗に決まると
妖怪の体は銅の部分で切断され、上下の体は地面にボトッ、と落ちる音がした。