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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第10章 突風




ア「さんここにいらっしゃったんですね。」

『アオイちゃん…、
昨日は帰って来れなくてごめんね…?』

ア「いえ、お気になさらず。
…それより、風柱様がお見えになってますよ。」

『え…?不死川さんが?』





ついさっきまで一緒にいたのに
私に何か用でもあるのかな…?



不思議に思いながら
不死川さんが待ってる玄関に向かうと
彼の手には見慣れたものが握られていた。




「テメェなぁ…、手拭い忘れてんじゃねーよ…」

『!!ご、ごめんなさいっ…!』




そういえば顔を洗った時に手拭いを使って
そのまま洗面所に置きっぱなしにしてたかも……、と謝りながら思い出して手拭いを受けとると

不死川さんの表情が怒っているものから
驚いたものに変わっていった。





「おい…、その目はどうしたァ…」

『目?……っ、あ…』





…気付かれて当然だ。




さっきまで散々泣き喚いていたから
私の目はまだ腫れているだろし、赤くなったままだから。


眼鏡をかけていても隠し切れるはずはなく
みっともない顔を晒しちゃった…と反省していると、不死川さんの舌打ちが耳に入った。






「そんな目になるほど……誰に泣かされた?」

『えっ…?い、いや……それは…』

「……。冨岡の野郎か…。
あいつ……ブッ殺してやる…!!」

『!?ちょっと…!!不死川さんっ!!』




私の引き止める声も聞かずに
不死川さんはすごく殺気に満ちた顔をして
玄関から外に出てしまった。




きっと不死川さんは
さっき私を迎えに来てくれた冨岡さんが
私に何かをして泣かされたんだと思っているんだろうけど…


それは完全な誤解だったから
私は否定する為に不死川さんの後を追いかけて腕を掴んで必死に引っ張った。





『不死川さん!!待って下さい!!』


「離しやがれ!!あの野郎…
女泣かせるとか
しょうもねェことしやがって…!!!
お前の代わりに俺がブン殴ってやらァ!!」


『そ、そんなことしたらダメですよ!!
隊律違反になっちゃいますから!!』


「…。確かにそうだなァ…」





良かった…、落ち着いてくれた…



そう思って安心したけど
でもそれは私の勘違いだった…。

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