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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第10章 突風




「でも、どうして断ったんですか?
さんも冨岡さんのことを想っていましたよね?」


『そう…なんだけど…』




…どうしよう。


しのぶちゃん相手でも
自分の母親の事を話すのが怖い…。


しのぶちゃんは優しいから
私の親の事を知っても、きっといつも通りに接してくれるとは思うし、気にしないでいてくれるはずだけど…




令和の時代では、母の噂が勤務先の病院中に広がって、大勢の患者や同僚から白い目で見られたことが
私の中でかなりトラウマになっているようで…

私が自殺してこの時代に来た事も含めて
まだ全てを話す勇気が出なかった。




「…さん、私が前に言ったこと
覚えていますか?」

『え……?』


「"無理に話さなくても、大丈夫。
人にはそれぞれ、個人的な事情があります、
話したくなければ、言わなくてもいいです。"
…以前にも、そうお伝えしましたよね?」


『っ、しのぶちゃん…』


「私はいつでも、どんな時でも
さんの味方です。
なので先程のように泣きたくなったら
いつでも頼って下さいね?」


『うんっ…、ありがとう…』




しのぶちゃんの優しさのおかげで
私は少し落ち着く事ができた。




私の過去については全部話せなかったけど、しのぶちゃんにならいつか話せる気がする。




…でも、これから冨岡さんと
どうやって接していけばいいのかな。



柱に稽古をつけてもらう立場にある私は
冨岡さんが相手になる時もあるだろうし…。



それに冨岡さんからしたら
私の顔なんて2度と見たくないと思われてるかもしれない。



そう考えるだけで胸の奥がズキズキと痛む…。



でも、私には傷付く資格なんてない。


…嫌われるような事をしたくせに
それでも傷付いてる自分に腹が立って来る。



こんな事なら
冨岡さんへの恋心に気付かないままでいたかった…。




もう終わった事なのに
全く吹っ切れる気がしない、と考えていると
アオイちゃんが私に声をかけて来た。


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