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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第10章 突風




「テメェの言う通り
殺すのは隊律違反になっちまうな…。
じゃあ半殺しにしてやるとするかァ!!」


『!?!?』



…全っ然分かってない!!!


同じ鬼殺隊の人を痛め付けるのはダメっていう意味だったのにーー!!





『お、お願いですから落ち着いて下さい!
冨岡さんのせいじゃないんですよ!』


「なんであんな野郎を庇ってんだテメェは!!」


『本当に違うんですっ!!
泣いたのは……っ、
…私が私自身を嫌になったからなんです!!』


「……あ?」




必死に理由を訴えた事で
不死川さんはようやく落ち着きを取り戻してくれて、私は不死川さんの腕を掴んでいた手の力を緩めた。





『詳しくは…言えません、けど…
冨岡さんは何も悪くないんです…
ご心配をおかけして…すみませんでした…。』


「…。」





勘違いとはいえ、まさか不死川さんが
こんなにも怒ってくれるとは思わなくて…

謝罪と一緒に感謝の気持ちを込めて
私は深く頭を下げた。




「チッ…、女ってやつは
よく分かんねェ事ですぐ泣きやがるな…」


『す、すみません…』


「テメェは自分を嫌になったって言うけどなァ…




…俺はお前のこと、嫌なヤツとは思ってねェ。」


『っ、え……?』




不死川さんに言われた事が衝撃的で
下げていた頭を上げると
不死川さんの手が私の頭上に置かれた。





「何があったか知らねェけど
もし本当に冨岡の野郎が何かして来たら俺に言え。
お前がスッキリするまで、殴り倒してやるからよ。」



…不死川さんは私にそう告げると
そのまま蝶屋敷を出て行った。


あの人が優しいのは
稽古で一緒にいた時に気付いてたけど、まさか私が泣いたことでさらに優しさを見せてくれるとは思わなかった。





『…あははっ』




顔に似合わず優しい面を持った不死川さんのおかげで、私は無意識に笑ってしまうほど元気を取り戻す事ができた。





……今度会う時は、今日のお礼に
食べきれないくらいのおはぎを用意しますね。





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