第2章 大正
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私が剣道を習い出したのは
小学校6年生の時…
通学路の途中にできた、剣道場を覗いて見たのがキッカケだった。
初めて見る剣道の稽古は
子供だった私には、とてもかっこよく見えて…
自分もあんな風に竹刀を持って
誰かと戦って見たい…
それを剣道場の先生に伝えたら
入門することを歓迎してくれたんだ。
「、お前はなかなか筋がいいな?
入門してまだ間もないのに
強い相手に立ち向かっていく度胸もある。」
『あ、ありがとうございます…!!』
「それと、お前の武器は動体視力だ。」
『??どーたい、しりょく?なんですかそれ?』
「動いている物や人を識別する、目の能力のことだ。
だからお前は、相手の動きを見ることで
次にどんな攻撃をしてくるか判断でき
対処することが可能なんだよ。」
『へぇ〜!私にそんな武器が…』
「だがな、例え相手の攻撃を予測できても
お前の体がそれに反応できるようにしないと意味がない。この前の試合でも、相手の技を避けきれなかっただろ?」
『うぅ……。あれは本当に悔しかったです…』
「負けたことをいつまでも引きずって嘆いてんじゃねぇよ。今度闘うときに勝てばいいんだ。」
『はい…、私、あんな負け方はもうしたくないです…』
「よっしゃ。それじゃあこれから俺が特別に
お前に個人的に稽古をつけてやる。」
『本当ですか!?やったぁ!!』
「喜んでいられるのも今のうちだぞ?
俺が仕掛ける攻撃を全部避け続けろ。
避けられるようになるまで、お前に新しい技は教えない。」
『はい…!!頑張ります!!』
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