第10章 突風
他の柱達にも何度か稽古をつけてもらって
スピードも早くなったし、技の威力も上がった。
その甲斐があって、今こうして
不死川さんの相手をする事が出来る…。
スピードや繰り出される技にも
何とか着いていけるようになった。
自分の成長を実感し、成果が出ていることに嬉しく思っていると、不死川さんは地面を蹴り飛び上がっていた
「…伍ノ型 木枯らし颪!」
『っ、雪の呼吸、肆ノ型…雪蓮華!!』
空中で回転しながら出される不死川さんの技に対し、私は乱れ打つような突き技で対抗した。
斬り込まれるような風の型の技を
疲労によって重くなって来た腕を動かした私は、突き技で相殺し続けた。
バキッ
バキッ
『っ、あ……』
「…ケッ」
技の攻防をし続けた結果
お互いの木刀の方が先に限界がきたみたいで…
私と不死川さんの木刀は折れてしまい
地面に転がっていた。
「はぁー…、代わりの木刀はねェから
稽古はこれで終いだ。」
『は、はい…。ありがとうございましたっ!!』
今日は昨日みたいに倒れはしなかったものの
長い間打ち合っていたから、稽古終了の合図をされると、私は一気に体の力が抜けて、地面に尻餅をついて座り込み、荒くなった呼吸を繰り返していた。
『はぁっ…、はぁーーー…』
「フンッ、だらしねぇなァ。
こんな稽古で息切らしてんじゃねェよ。」
『…、そもそもっ、体力が、違います…って…』
「ハッ、そんなんじゃ一生柱にはなれねェなァ。」
『はぁ、はぁ……、私のことをっ、とやかく言うのは自由、ですけど……、不死川さんも、汗…かいてますよ…』
「っ…!!」
私に指摘されるまで気付かなかったのか
不死川さんは腕でグイッと汗を拭うと
少し驚いているようだった。
「チッ…、テメェと一緒にすんな。」
『ふふっ、分かってますって…
私はまだまだ未熟者です。』
起き上がれるほど体力はまだ回復してないし
不死川さんに比べたら私なんか格下の格下くらいだよ。