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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第10章 突風




『と、とにかく…!
私は相手が誰でも
稽古をつけてもらうからには全力でやる!
それは冨岡さんが相手でも同じだからね!?』


「あははっ、そんなにムキにならなくても
ちゃんと分かってますよ〜?
さんは本当に可愛いですね〜」



『うぅ…』




…しのぶちゃんには一生口では勝てない気がする。




私が何を言っても
揶揄う言葉しか返ってこないから
もう反応するのはやめて、黙々と洗濯物を干し続けた。




『ふぅ…、
今日は風が強いからよく乾きそうだなぁ。』




全ての洗濯物を干し終え、髪が靡くほどの強さの風を感じていると、空からカラスの鳴き声が聞こえた。




『あっ!カヨちゃんだ!!』




今ではもう
鳴き声だけで自分のカラスだと気づける程になった。


初めは違いなんて全然分からなかったけど
何度もカヨちゃんと接しているうちに
彼女の鳴き声は私の耳にしっかり記憶されてる。


カヨちゃんもまた、この時代に来てから出来た親しい友達みたいな存在だ。



空から降下してくるカヨちゃんに
肘を曲げた状態で待っていると
彼女は私の腕に降り立った。





「!今日ハ風柱ノ屋敷ニ行ッテ!
…コレ、場所ガ書イテアル地図ネ。」


『分かった!ありがと〜』




カヨちゃんの足に結ばれていた紙を丁寧に取り、場所の確認をしていると、側にいたしのぶちゃんが声を掛けて来た。






「さん、大丈夫なんですか?」

『?大丈夫って…何が?』

「以前柱合会議であの人と会ったことがあるから分かっているとは思いますが……、不死川さんは他の柱と違って
遠慮というものを知らない方ですよ?
きっと厳しい稽古になるかと…。」


『厳しいのは、どの柱も一緒。
それにね、あの人この前怪我してたでしょ?
ちゃんと治ったか気になってたし、
具合も見たかったから丁度いいよ!
じゃあ私、準備して行ってくるね〜!』


「…。やれやれ、どこまでも前向きな人ですね…」




しのぶちゃんに挨拶を終えた私は
急いで出掛ける準備をして
不死川さんの屋敷に走って向かった。




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