• テキストサイズ

《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第9章 修練




それになんだか…


冨岡さんの頬が赤くなってる気がする…。




咽せちゃった影響かもしれないけど
ひょっとして冨岡さんも私と同じで
夫婦と間違われたことに照れてる…?



この人が何を思っているのか知りたくて
無意識にジッと見つめていると、私の視線に気付いた冨岡さんと目が合ってしまった。





「…馬鹿、見るな。」

『す、すみません…』




冨岡さんと視線が合っただけで
私もだんだんと顔が熱くなってきて…


私達は2人で顔を赤くしながら俯いた。






「はははっ!
お客さん、2人とも顔が真っ赤だねぇ?
いやぁ!若いっつーのはいいもんだ!!」

『!?もうおじさん!?
揶揄うのはやめて下さい…!!』

「はっはっは〜」





…ははは、じゃないよ!!!

この空気どうしてくれるの…!?



その後の私達は
何も会話をしないまま鮭大根を完食し
食べ終わったところで店を出た。



お勘定をする時、私は自分の分は払うつもりだったのに、冨岡さんがさりげなく私の分のお金も出してくれていて…



お店の外で再度お金を渡そうとしたけど
冨岡さんは受け取ってくれなかったから
私は店の前で、ご馳走になったお礼を改めて伝えた。





『私の食事に付き合ってもらったのに…
本当にありがとうございます。』


「気にする必要はない。
お前の体が元気になるなら、食費ぐらい出す。」


『…ふふっ、冨岡さんって
すごく優しいんですね?』


「…。部下の体調を整えるのも
柱の仕事の一環だ。」




…それでも私は嬉しいよ。




好きな人から自分の事を気遣ってくれるだけで、これからも頑張ろうって思えるし、やる気が漲ってくるんだもん。





『お陰様でだいぶ元気になりました!
じゃあ私はそろそろ蝶屋敷に戻ります。』


「…屋敷まで送る。」


『え!?1人で帰れますって!!』


「また先程のように
得体の知れない男に絡まれない為だ…、送る。」


『えぇ……』




…もう着物じゃなくて
いつもの隊服に着直したから大丈夫だと思うんだけど。




そう言おうとしたら
冨岡さんはすでに歩き出していて
私は何も言えないまま、屋敷まで送ってもらうことになってしまった。









/ 279ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp