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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第9章 修練




『お、美味しいっ!!
すっごく美味しいです!!』


「それは良かった。」


『鮭も大根も柔らかーい…!!
ご飯ともすっごく合いますね〜!』





パクパクと夢中で頬張っていると
厨房にいたおじさんがニコニコと嬉しそうに笑いながら、私と冨岡さんの席に向かってきた。





「お客さん、
鮭大根が気に入ったのかい?」

『はいっ!初めて食べる料理ですけど
もうお箸が止まらないですよ〜』

「ははっ、嬉しい事言ってくれるねぇ!」

『毎日でも食べたいくらい美味しいです!
おじさん料理の天才ですね!!』


「参ったなぁ…、
そんなに褒めて貰えるとは…。
おっしゃ!鮭大根もう一皿おまけで出してやる!」


『んん!?本当ですか!?やったぁ〜!!』


「……。」




私とおじさんが話している様子を
冨岡さんは呆然として見てたけど
さらにもう一皿の鮭大根がサービスで運ばれてくると、何だか少し嬉しそうだった。





『冨岡さん、こっちの鮭大根は
半分こして食べましょうね!』

「…あぁ。」




口に出して言わなかったけど
きっと冨岡さんも鮭大根が大好きなんだと思う。


白米やお吸い物には箸をつけずに
ひたすら鮭大根だけを夢中で食べてたから。


冨岡さんの好物が知れて嬉しくなった私は
幸せな気持ちのまま食事を進めた。






「いやぁ、二人共良い食いっぷりだねぇ!
まさに似たモノ夫婦ってやつか!」


『んぐッ…!?』「ゴホッ…!?」




おじさんがとんでもない事を言ったせいで
私と冨岡さんは口に含んでいたご飯が同時にむせてしまった。






『ち、違いますっ!!夫婦じゃなくて
この人とは仕事が一緒なだけですよ!!』


「えっ、そうなのかい?
あっはっはっ、それは失礼したねぇ。」




…いや、笑えないって。



私の本音を言えば
夫婦と間違われるのは嬉しいけど
冨岡さんにとっては迷惑極まりないはず…。




でも、冨岡さんも珍しいことに
おじさんの発言を聞いて動揺しているようだった。





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