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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第9章 修練






『よしっ…。おばさーん!
着替え終わったので行きますね?
色々とありがとうございました。』


「礼なんて言わんでいいよ。
おや、髪型は気に入ってくれたのかい?」


『あ…はい。せっかく結んでもらったし
解くのはなんか勿体無くて…。
でも、簪はお返ししますので
取ってもらえませんか?自分じゃ取れないので…』


「いや、その簪は嬢さんにあげるよ。
よく似合ってるから。」


『え!?そんな…頂けませんよ!!
素敵な着物を頂いただけで十分なのに…』


「遠慮せず貰っておくれ。
甘露寺さんにはいつも世話になっているし
アンタのような別嬪さんに受け取ってもらった方が、その簪も喜ぶだろうから。」




本当に貰っちゃっていいのかな…?



申し訳なく思ったけど
おばさんは私がどれだけ拒否したところで
聞き入れてくれないだろうから
私は諦めて、有り難く簪を頂くことにした。





『ありがとうございます…、
大事に扱いますね!!』

「うん、またいつでもいらっしゃいな。」




最後にペコっと頭を下げた私はお店を出て
蜜璃ちゃんが待っているはずの外に向かった。




でも…





『あ、あれ…?』




お店の前にいたはずの蜜璃ちゃんの姿は見当たらなくて、何故か冨岡さんが1人でお店の前に立っていた。

…てっきりもう帰ったと思ったのに。






『あの……蜜璃ちゃんはどこに…』

「…先程、急用を思い出したと言って帰った。」

『はい…!?!?』




…え、何で私がいないタイミングで思い出しちゃったの!?




…っていうか
冨岡さんは何でまだいるの!?


さっき怒られたばっかりなのに
2人きりになるのは気まずいって!!




『えーっと…、じゃあ…私も帰りま…』




ぐぅぅぅ〜




『!?!?』

「……。」





突然鳴り出した私のお腹の虫…



そういえば今日は朝起きてから
何も食べてなかった…、と思い出すのと同時に


冨岡さんにもお腹の鳴る音を聞かれて
どうしようもなく恥ずかしい気持ちになった。




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