第9章 修練
蜜「ぐすっ……よぉーし!
ちゃんの恋は
私が絶対、成就させてあげるからね!!」
『え…、いやいや、それは別に気にしなくても…』
蜜「いいから私に任せて!!!」
…泣き止んだと思ったらすぐに立ち直って
切り替えが早過ぎる、と思っていた私の手を引っ張りながら、蜜璃ちゃんは歩き出した。
任せてって言われても、やっぱり少し不安だよ…
本当はそう言いたかったけど
やる気満々の蜜璃ちゃんに釘を刺すようなことは言えず。
どこに向かっているのか不思議に思いながら手を引かれていると、蜜璃ちゃんは一軒の店の前で足を止めた。
『ここって……呉服屋さん…?』
蜜「このお店にはね、可愛い着物とか帯が
いーっぱい売ってるんだよ〜!」
『そうなんだ…、でも、どうしてここに…』
蜜「いいから中に入ろっ!
私がちゃんの着物選んであげる!」
『……。なんで!?』
私、着物が欲しいとは思ってなかったんだけど…!?
意味が全く分からなくて
蜜璃ちゃんに背中を押されながら店に入ると
そこには沢山の着物や浴衣、帯や下駄、
簪などの綺麗な髪飾りが揃えられていた。
「あぁ、甘露寺さんかい。久しぶりだねぇ」
蜜「おば様、こんにちはっ!
今日はお友達を連れて来ましたよ!」
『ど、どうも…』
「あらぁ、…綺麗な黒髪に黒の瞳。
すごい別嬪さんだね〜」
『い、いや…、そんなことは…』
蜜「ふふっ、そうでしょ〜?
今日はこの子の着物を買いに来たの!
色々見させて貰ってもいいですか?」
「へぇへぇ、好きなだけ見ていって下さいな?」
蜜「ありがとうございます!
じゃあちゃん、こっち来て〜!」
『え、え…えぇ?』
蜜璃ちゃんに促されるまま店の中に足を進めると、見渡す限り綺麗な和服ばかり…
その美しさに目を奪われている私に
蜜璃ちゃんは着物を手に取って、私の体に合わせていた。
蜜「うーんっ、
紅色もいいけど淡黄色もいいし〜…
あ、深緑も似合うね〜!!!」
…まるで着せ替え人形状態の私は
蜜璃ちゃんにされるがまま色んな色味の着物を合わせられている。
至って真剣に、でも何処か楽しそうな蜜璃ちゃんを微笑ましく思っていると…