第9章 修練
煉獄さんに鍛えてもらったおかげで
最後の方は死角からの攻撃も感知できて
自分から攻撃を仕掛ける事もできた…。
打ち付けられた木刀で
体の所々に痣ができて少し痛むけど
稽古の成果を感じられた私は
蝶屋敷に帰る前、見送りをしに来てくれた煉獄さんに
頭を下げてお礼を伝えた。
『今日は貴重なお時間を頂き
本当にありがとうございました!!』
「うむ!これからも精進しろ!」
『はいっ!頑張ります!!』
「さん、蝶屋敷までお気を付けて。
また来て下さいね!」
『うん!!では、失礼します!!』
2人に会釈をしてから
私は蝶屋敷に向かって歩き出した。
全身がズキズキと痛むけど
今は一刻も早く帰って横になりたい…。
疲れた体に鞭を打ち、トボトボと歩き続け
蝶屋敷に着く頃には日没近くだった。
その日は体力の限界で
食事の後すぐに睡眠を取り、翌日からも
柱との稽古を順番に行った。
煉獄さんの次は蛇柱の伊黒さん、
さらにその次の日は音柱の宇髄さん、
またさらに次の日は霞柱の時透くん…
順番に柱の元に向かって稽古をつけてもらってるけど、柱達の化け物じみた体力や力量などを目の当たりにした私は
毎日ヘトヘトになるまで扱かれた…。
でも、多忙の中
時間を作って稽古をつけてくれる訳だし
泣き言や弱音を吐く事は出来なかった。
毎回めちゃくちゃ厳しい稽古だけど
御館様の命令だからか、柱達はちゃんと私に指導してくれて、それがすごく嬉しかった。
…いや、嬉しいよ?本当に嬉しいんだよ?
嬉しいんだけどさ……
し「…あらあら、さん大丈夫ですか?」
『大丈夫…じゃない、かも…』
し「流石に4日連続での稽古は
体に負担がかかってしまったようですね〜。
やはり柱達の稽古はキツかったですか?」
『……。控えめに言って、地獄かな。』
し「わ〜、それは楽しそうですね〜」
…どこが!?
しのぶちゃん、地獄の意味分かってる!?
本当はそう突っ込みたかったけど
私は自室の畳の上に寝転がったままでいて
言い返す気力すらない状態だった。