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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第9章 修練




…うーん。


確かに嘘を言っているようには見えないけど…




『でも…冨岡さんには
眼鏡を掛けたままにしろって言われましたよ…?』

「冨岡が?」

『はい…、きっと私の顔が見るに耐えないから
そう言ったんだと思います…。』





あの時は
雪の呼吸を身に付ける事ができた日で…

2人で綺麗な雪を眺めて、すごく心が満たされた特別な一時だった。



…それに、冨岡さんから
"俺の前以外では眼鏡を外すな"って言われた事が不思議で、すごく印象に残ってる。





「そうか…、あの冨岡が…。
……はははっ、それは面白い!!」


『はい…?え、何がですか…?』


「いやぁ、そうかそうか!
冨岡も人間らしくなってきたようだな!!
うむ!俺は嬉しいぞ!」





…私の話、聞いてるのかな、この人。


ずっと1人で嬉しい嬉しいと言ってばかりで
私には何が何だかサッパリわからないって言うのに…。




「冨岡は無口な時が多いが、優しい男だ。
もそう思わないか?」


『はい!すっごく優しい人です!』




冨岡さんは寡黙な時が多いけど
私の話をちゃんと聞いてくれるし
困ってた時はアドバイスもしてくれる…



そんな冨岡さんの優しい心に私は何度も救われた。



あの人と関わった出来事を思い返すだけで
自然と頬が緩んだ。





「…うむ、よく分かった!!」

『え…?な,何が分かったんですか…?』

「ははっ、若いとは実にいい事だ!!
俺はお前達を応援しているぞ!!」

『…あの、もう少し分かりやすく言って欲しいんですが?』

「気にするな!ただの独り言だ!
…よし!休憩は終了!稽古の続きをするぞ!」




…自己完結しないでくれませんか!?!?





結局、何を聞いても教えてくれない煉獄さんは
稽古を再開するとしか言わなくて…



その後は、数時間に一度休憩を挟みながら
煉獄さんの任務に出かける夕方近くまで稽古は続いた。





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