第9章 修練
「カァー、〜稽古ノ時間ヨ!
今カラ煉獄家ニ向カッテ!」
『!!わっ、初稽古だ〜!!
ごめん炭治郎くん、私行かないと…』
「稽古って…
柱に稽古をつけてもらってるんですか?」
『うん。御館様から言われたからね。
じゃあ私行くね!
またお喋りしよーね〜!!』
「あ,はい!頑張って下さーい!」
『炭治郎くんも訓練頑張ってね!
ばいばーいっ!』
炭治郎に手を振りながら
私は刀を持って蝶屋敷を出た。
「さんに聞きそびれちゃったなぁ…。
あの匂いってたぶん…恋心だと思うんだけど…
さんって、冨岡さんの事が好きなのかな…?」
そんな炭治郎くんの独り言は私には聞こえなくて…
もし聞かれてたとしても
きっと上手く答えられなかっただろう。
だって私は、男の人を好きになったことなんて
一度もないんだもん。
恋心なんて言われても
それがどういう気持ちなのか、私はまだよく分かっていなかった…。