第8章 上官
悲「御館様…、
我々は稽古と称して彼女を鬼の手から守る…
そのように捉えて良いのですね?」
「あぁ…、柱の皆には苦労をかけるが
の事を出来るだけ気にかけてあげて欲しい。」
し「さんには
別の時代から来た事を軽々しく言わないよう
口止めはしていますが…、
狙われるかもしれないことを
本人には伝えなくて良いのですか…?」
「しのぶは、と過ごした時間が長いから
彼女のことをよく分かっているだろう?
"柱達が自分を守る為に動いている…"
それをが知ったら、なんて言うと思う?」
し「…。
柱達の手を煩わせる訳にはいかない、と…
あの人なら、そう言いかねませんね…。」
…胡蝶の言う通りだ。
俺が知っているも
きっと同じことを言うに違いない。
己のことで、人に迷惑を掛ける事を嫌う奴だから。
御館様の言う通り
アイツには黙ったままでいるのが適切だろう。
「私は、鬼殺隊の隊士は皆
我が子のように思っている…、
例え産まれた時代が異なっていても
は私の可愛い子供の1人…。
どうか、彼女の命が失われないよう、守ってあげて欲しい。」
「「「御意。」」」
俺は普段、誰かの命を守りたい…と考える事はない。
だが…
の命は、俺がこの手で守ってやりたい…
あいつを……失いたくない…
…御館様の話を聞いたら
不思議とその思いが強くなった。
俺は何故
の事ばかり考えてしまうのだろうか…。
何故…
の笑顔を守りたいなどと
思ってしまうのだろうか…。
その答えは、未だ見出せないままだ…。
このよく分からない気持ちを
御館様に話せば答えを導き出してくれるだろうか…。
「…。では、柱合会議はこれで終了とする。
これからも皆の活躍を期待しているよ。」
柱達が全員で御館様に御辞儀をし
順に立ち上がって部屋から出て行き
俺も同じように刀を持って立ち上がったが…