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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第8章 上官




『貴方は…、血液がどれほど大事なのか
分かっていないんですね…』

「…あン?何だって…?」

『私は、この時代に来てから
沢山の傷付いた隊士達の
治療のお手伝いをしてきました。』


「はっ、…それがなんだってンだ?」


『…隊士達の何人かは血を流しすぎたせいで
意識不明の状態が続いていたんです。
意識を取り戻しても、後遺症が残って
以前と同じように戦えないから
鬼殺隊を辞めた人もいたんですよ?』


「だからなんだよ…
そいつらに同情しろって言いてェのか!?」


『私が言いたいのは
血液は人の命と
その後の人生を左右するということです。
例え僅かな出血でも、無駄に血を流して欲しくないんです。』


「馬鹿馬鹿しい…。
大体その隊士達が腑抜けだから
鬼に傷を負わされるんだろォが!!!
弱ェ奴が流す血なんか、いちいち気にしてんじゃねェよ!!」


『…。じゃあ、不死川さんは
傷を負ったその弱い隊士達が目の前にいても
治療をせず、見殺しにしろと…、そう仰りたいんですね?』


「っ…」


『…人間の血はとても貴重で、尊いものです。
体内でしか血液は作れないし
輸血できる血の量だって限られています…。
なのに貴方は…っ、

"血なんか気にするな…?"
"弱くて腑抜けな隊士が悪い…?"


…それが隊士達の上に立つ
柱の台詞とは到底思えません!!!』



…私はこれまで、何人もの隊士達が
大量の血を流しているのを見てきた。

怪我をしちゃうのはその人達が未熟だから…
……それは完全には否定できない。


でも…


どれだけ傷を負わされても
沢山の血を流していても
隊士達はみんな、命懸けで鬼を倒そうと必死になって戦っているんだ。


そんな人達を侮辱する不死川さんを…
私は許さない。


立場が上の人なのは分かってるけど
とても黙っていられなかった。





し「…不死川さん。
さんは
出血がひどい隊士がいた際、
自分の血を分け与えて、命を救ったこともあるんですよ?」


『!!ちょっ、しのぶちゃん…
それは別に言わなくても…』


し「沢山の血を抜いたせいで
その後さんは
しばらく寝込む羽目になってしまいました。」




…そこまで言うの!?
恥ずかしいからやめて欲しいんだけど!?




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