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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第8章 上官




そして、その日の夜ー…



しのぶちゃんは御館様から呼び出され
屋敷から出て行き、彼女を見送った私は

特に何も任務の指令がなかったから
早めに寝床につこうと、布団の中に寝転がった。



鋼鐵塚さんからもらった刀を手の届く距離に置いて、気分良く眠りにつこうとしたけど…





「起キテ。指令ダヨ!」

『ん〜?カヨちゃん…?』





窓から私のカラス、カヨちゃんが飛んできて
窓辺から私に声をかけて来た。




「スグニ那田蜘蛛山へ向カッテ!
負傷者ガ多数出テル!」

『那田蜘蛛山って…、
しのぶちゃんもその山の事で御館様から呼び出されてたよね?』

「ソウ!治療ノ手伝イニ来テ欲シイ、ッテ
言ッテタカラ…、スグ準備シテ!」

『分かった!』




寝巻きの浴衣から、サッと隊服を見に纏った私は
新しい刀と、治療道具の入った鞄を持って
すぐ蝶屋敷を出た。




カヨちゃんが山までのルートを案内してくれて
走って彼女に着いていくと
鬱蒼とした森に覆われている山に到着した。




『うっ…、何これ…、凄く嫌な臭い…』




嗅いだ事がないほどの嫌な刺激臭に顔を顰め
出来るだけ鼻で息をしないように山の中を進んでいくと、既に隠部隊が到着しているようで…


山中に倒れている隊士達の遺体を処理しているようだった。





『ひどい……』






もうすでに20人を超える隊士達が亡くなっているのを見た。



この山には
それほど強い鬼が存在していたんだ…と
鬼に対して怒りがフツフツと湧いた。



…でも今は、すでに亡くなっている人より
まだ命が助かる人を治療しないといけない。



山の中を進みながら
生存者がいないか周りを見渡していると
前方に人影が見えた。




『あれは……しのぶちゃんと…
え、冨岡さん……?』




しのぶちゃん…冨岡さんと同じ任務だったんだ…。



頭の中でそれはすぐに理解できたんだけど…



2人は微妙な距離感を保ったまま
敵対しているような雰囲気を放っていた。




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