第8章 上官
鋼「…お前、名前はとか言ったな?」
『?はい、そうですけど…』
鋼「こんな綺麗な刀になったんだ…
もし折ったりしたら…その時は承知しねぇ。
分かったな?」
『は、はい…!!絶対折りません!!
毎日手入れもします…!!』
し「大丈夫ですよ、鋼鐵塚さん。
さんの剣の腕は私が保証しますから。」
鋼「はっ、…そうかよ。」
し「では、刀の話はこれくらいにして…
鋼鐵塚さんの好きなみたらし団子をご用意してありますが、いかがですか?」
鋼「…みたらし団子、だと?」
し「はい、縁側に沢山ご用意しておきました。」
…しのぶちゃんからみたらし団子のある場所を聞いた鋼鐵塚さんは、風の速さで立ち上がり、部屋を出て行った。
『…。鋼鐵塚さんってみたらし団子が好きなの?』
し「そうです。大好物なので
さんもあの方を怒らせた時は
みたらし団子をご用意するといいですよ?」
『あはは…。
まずはあんまり怒らせないようにするよ…。』
さっきまで刀に夢中だったくせに
きっともう団子のことしか頭にないんだろうな…。
どうやら私の担当になった刀鍛冶は
かなり変わった人のようだけど…
素敵な刀を作って貰った私は
鋼鐵塚さんに感謝の気持ちでいっぱいだった。
今度あの人に会えた時は
たくさんのみたらし団子を用意しよう…
綺麗な刀を見ながら、私はそう決め込んだ。