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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第8章 上官




『しのぶちゃーん、入るよ〜』




いつも通り、しのぶちゃんの優しい声色の返事が聞こえてから、私は部屋の中に入り

座布団の上に座っていたしのぶちゃんの正面に座った。




「とてもいい香りのお茶ですね。」

『えへへ、美味しそうなどら焼きだったから
お茶も一級品の茶葉にしちゃった。』



2人でお茶とどら焼きを味わって食し
食べ終わったところで、しのぶちゃんの話を聞くことになった。






「さんは御館様のお屋敷で
玉鋼を選択されましたよね?」

『うん、選んだよ?
日輪刀の元になるからって言われて…』





本来は最終選別で生き残った後に
隊服の支給と、玉鋼の選択をするらしいけど
私は最終選別が免除になっちゃったから…


御館様の屋敷で療養をしていた時に
あまねさんから玉鋼の話をされたんだ。




「さんの日輪刀が出来上がったそうなので、もうすぐ刀鍛冶の方がいらっしゃいます。」


『え、そうなの…?
わざわざ来てくれなくても
場所を教えてくれたら私が取りに行くのに…』


「刀鍛冶の方が暮らしている里は
鬼に場所を悟られないよう隠されているんです。
私達のような柱でも、居住地は知らされていません。」




そうなんだ…。



日輪刀って呼ばれている刀は
人喰い鬼を倒せる唯一の武器って言われてるから…


鬼達が刀鍛冶の人達が暮らす里を襲う可能性を無くす為に、居住地を隠しているのは納得できる。





『そういえば私、しのぶちゃんから借りてた日輪刀
ずっと使ってたね…。』


「気になさらないで下さい。
あの刀は…
私の姉が、柱になる前に使用していたもので
保管されていただけでしたから。」


『…そっか。』




しのぶちゃんはそう言ってるけど
初めてあの刀の刀身を見た時、
刃こぼれや錆はどこにも無いことに気付いた。


きっと、お姉さんが使ってた刀だから
しのぶちゃんが定期的に手入れをしていたんだろうな…。



そんな大事な刀をずっと私に貸してくれて…


しのぶちゃんの優しさが身に染みる。




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