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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第7章 当主




「だが、何故焦っていたのかが分からない。」

『……。はい?』

「倒れているお前を見た時
死んでしまったのかと…、俺は激しく焦った…
その理由をずっと考えているんだが…
お前は分かるか?」


『…??私は冨岡さんじゃないので
分かるはずないじゃないですか…。』


「そうだよな…。」





…え、結局冨岡さんは何が言いたかったの?




自分が焦った理由を、私に聞いたって分かる訳ないのに…?




もしかして…頭でも打ったのかな…?





『冨岡さん、最近鬼と戦ったりしました?』

「いや、最近は出会さない日が続いている。」

『じゃあ病気という訳では無さそうですね…。
一度時間がある時、しのぶちゃんにも聞いてみたらどうですか?』


「そうだな…。ではそうしよう。」




冨岡さんの意味不明な話は終了し、
その後、蝶屋敷に着くまで
私が身に付けた新しい型の話をしたり

下弦の鬼と戦った時の話をしていると
あっという間に蝶屋敷へ到着した。




『ふー…、やっぱり数日体動かさないだけで
体力って落ちちゃいますね…。』


「復帰したら、また稽古をつけてやる。」


『本当ですか!?やったぁ〜!!』




冨岡さんから稽古に誘ってくれたのが嬉しくて…



『わっ…!?』

「っ!!」


喜んだ勢いで体を大きく揺らすと、地面についていた松葉杖が滑ってしまい、私は後ろに倒れそうになった…



でも…





「おい…大丈夫か?」

『は、はいっ…、すみません…』



正面にいた冨岡さんが、咄嗟に私の体を支えてくれたお陰で倒れる事はなかった。



ヒヤッとしたことで心拍数が上がり
すぐに落ち着くと思ったのに、ずっとドキドキが治らない…。


その理由はたぶん…


冨岡さんの腕が肩と腰に回っていて
抱き締められているみたいに支えてもらっているからだと思う。


男の人に抱き締められるのなんて初めての体験だし…


冨岡さんの腕は、とても鍛えられているのが
衣服越しでもよく分かって…



意識すると、さらに心拍数は上がり
顔を上に上げると、冨岡さんの整った顔が目の前にあって、目が合った瞬間、ドキンッ、と心臓が跳ね上がる音が聞こえたような気がした。





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