• テキストサイズ

《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第7章 当主




『と、冨岡さん…!?どうしてここに…!?』


「…お前が今日
蝶屋敷に戻ると御館様から伝えられ
帰り道の護衛をするようにと命を受けた。」


『えぇ…?護衛なんてそんな…
悪いのでいいですよ…』


「御館様からの直々の命だ。
拒否をすると隊律違反と見なされるが?」


『うっ…、そ、それは困ります…』


「…ならば行くぞ。」




申し訳ない気持ちを抱えながら
私は再び松葉杖をつきながら歩き出した。


鬼殺隊に入隊したからには
隊律を守らなければいけない…


頭では分かっていても
冨岡さんを護衛に来させたことに罪悪感を感じずにはいられなかった。



私の歩くスピードは杖をついているせいで遅いし
冨岡さんはそんな私に歩調を合わせて隣を歩いてくれている…



気を遣わせているのは分かってるけど
冨岡さんが来てくれたのは…


正直なところ、凄く嬉しかった。





『あの…冨岡さん…』

「…?どうした、疲れたか?」

『いえ、そうじゃなくて…。
この前、私が鬼を倒した場所に来てくれたんですよね…?』

「…あぁ。」

『意識がない私を屋敷まで運んでくれたって
御館様から聞きました…。
そのお礼を言いたくて…、ありがとうございました。』


「礼なら、今後は仕事で返せばいい。
お前も鬼殺隊の隊士として認められたんだ…
鬼を討つ為に尽力しろ。」


『はい…!!頑張ります!!』



…良かった。
迷惑かけたけど怒ってはいないみたい。



ホッと胸を撫で下ろして安心していると
今度は冨岡さんの方から話しかけて来た。





「…お前が、死なずに済んで良かった。」

『え…?』

「下弦の鬼に殺された隊士をこれまで何人も見てきた…。が同じ目に遭っていたらと思うと……、あの日の俺は、とても焦っていた。」

『そ、そうなんですか…?』




…どうして急にそんな事を言うんだろう。




冨岡さんの言いたい事がよく分からなくて
首を傾げていると、冨岡さんは私に視線を向けた。



/ 275ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp